Johnson Lifelog | Cornell MBA 留学記

コーネル大学ジョンソン経営大学院にてMBA留学中。コーネルMBAの合格体験記、留学生活の紹介に加え、ホスピタリティ、デザイン関連のトピックを扱います。

TED talk におけるスピーカーコーチの話

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最近、就職活動中の学生さんに色々とアドバイスをする中で、ふと思い出したので書いておきます。

ちょうど1年ほど前の2016年12月に、TEDxKyotoにてスピーカーコーチをされた、よねざわゆかりさん(@yucariyonezawa)の話を聞く機会がありました。

 

※よねざわさんがコーチとして携わった、Kamiyama AsukaさんのTED talkがこちら

Meet a 12 year-old patent holder | Asuka Kamiya | TEDxKyoto - YouTube

 

スピーカーコーチとは、スピーカーのストーリーの再構成、演出のアドバイス、メンタルケアまでを一貫して担当し、時にはカウンセラー、時には編集者、時には演出家としてスピーカーと伴走する役割だそうなのですが、いかにスピーカーのストーリーを再構成するかに関する考え方が、とても役にたちました。

 

よねざわさん曰く

宇宙には星がたくさんある。
宇宙がスピーカーの方の世界観と考えてもらいたい。その中にある輝く星たちを選び出し、星座をつくっていく。スピーカーの方と一緒に世界で一つの神話をつくっていくこと。これがコーチの役割だとわたしは思っている。

そこで何が重要か?
「いかに星を集められるか」。それと同時並行して「その星たちで形づくる星座をイメージできるか」そうして、その星座が神話になっていくのだ。

「印象的なストーリをつくるには?」TEDxKyotoのコーチが伝える、スピーカーの魅力の引き出し方 – TEDx Experience [日本語版] – Medium

 

スピーカーの世界観を宇宙に例える中で、ひとつ目の作業が「いかに星を集められるか」

スピーカーがそのテーマを思いついたきっかけ、モチベーションにはじまり、一見テーマとは関係のなさそうな幼少のストーリーや裏話など、様々な質問を通して、ネタを集めていく。

そして、それらの星が散らばった宇宙を客観的、構造的、俯瞰的に見て、「その人にしか語れないストーリー、星座をイメージしていく」

 

ビジュアル人間な私にはとても腹落ちする例えだったのですが、さらになるほどなと思ったのは、自分なりの思い込みや思考のくせによって、自らが考えるベストな星座と、他人から見て興味深くベストな星座にはしばしば乖離があること。

そして、自分ではまさか関係ないと思っていた星が(あるいは、存在すら忘れていた星が)、素晴らしい星座の材料になりうること。

 

MBAのエッセイやインタビューにおいても、客観的に見て自分を最も興味深く伝えるストーリはなにか?というものが大きなテーマである以上、この話ととても共通点が多いと思います。

そして、その上でいかにカウンセラーさんを活用するか、を考える上でとても良い視点だと思いました。

・星座を見つけるところから一緒にやるのか、自分で星座を見つけてから相談するのか

・どれぐらい幅広い星の存在を共有するか、共有する星の数や選択に先入観はないか

・そのカウンセラーは誰目線で星座をさがす人なのか

・自分とカウンセラーと違う星座を選んだ場合にどうするのか、等

 

 

また、話が脱線しますが、よねざわさんが講演の冒頭で一番初めに話された内容が「プレゼンテーションの目的」についてでした。

「相手との信頼関係をベースに、共感と理解をもって相手に行動を促す

この、相手に行動を促す、という部分を非常に強調されていました。

 

以前「エッセイにおけるStorytellingの重要性」という記事で少し書きましたが、

Storytellingの目的を、「伝える」だけではなく「アクションを起こさせる」ことだと学んだことをふと、思い出しました。

f52mba.hateblo.jp